プロローグ・・・Syun さん お魚にハマる

私が海水魚飼育の世界に足を踏み入れるようになったのは、今から30年以上も前、ちょうど高校一年生のころでした。友人であるA君に誘われて始めたのがキッカケで、なけなしの小遣いからステンレスの45センチ水槽を購入し、A君と彼のお兄さんが採集してきた「カゴカキダイ」や「ニザダイ」などを、それはそれは大事に飼ったものでした。そしてその後、A君兄弟に連れられて採集に行きましたところ、「チョウチョウウオ」やら「ソラスズメダイ」などといったカラフルなお魚さんたちが採れてしまって、それはもう有頂天。採集がすっかり面白くなってしまったのでありました。

それからの私はというと、大手海水魚ショップでアルバイトをしては小遣いを稼ぎ、それが貯まってくると、某島や某半島へ遠征に出かけるということの繰り返しです。勉強なんてチットモしません。全く変な少年だった訳です。尤もそうなった責任の大半はA君にあるのですがね。

さてこれからお話しようとするのは、私の経験のありのままです。中には、
「なんだ、一般の飼育書と同じで、技術的なことをひけらかすツモリじゃないの?」
と思われる方もいらっしゃるでしょうが、いえいえそうではアリマセン。実は私は何も知らないのです。私にあるのは失敗ばかりの経験だけなのです。でもその経験をお話することを通して、
「なんだ、そういうことだったのか!」
という“気づき”とか、
「えっ、自分も同じだ!」
という“分かち合い”の気持ちを味わって戴きたいと思うのです。

最新鋭の器具の話や、豪華な水槽の話、ペダンティックな方法論は全く出てきません(もちろん「ヨタ」の類もありません)。私は「お金持ち」でもなく、「科学者」でもないんだから…

というわけで、はじまり、はじまり。


これが「カゴカキダイ」だ。初夏には関東の磯でもごく普通に採集することができる。それも2,3cmの可愛らしいサイズなのだ。

第1章 器具のお話・・・ひととおりならホームセンターでも
まず、水槽

先にも述べたとおり私が最初に使った水槽は、ステンレス枠の45センチ・ガラス水槽でした。今はそのような「古風」な水槽を見かけることはなくなりましたが、当時はそれが主流で、総ガラス水槽なんて高くて高くて、トテモ手の出せるものではありませんでした。(今はどうなっているか知らないけれど、「シーホース」なんていう、結構シャレた総ガラス水槽のメーカーがあったっけ…)

さて、そんな水槽でも結構沢山の魚を入れられるものでして、またそこそこ長い間飼育して楽しむことができたものです。ところが、困ったことがありました。それは今でもそうなのですが、大抵の器具が60センチを基準に作られており、仮に45センチに合うものがあったとしても、少々割高なのです。中には45センチに合うものがなかったりする器具があって、閉口することもしばしばでした。

そんなこともあったのと、やっぱり飼い方がうまくなってくると、もっと沢山の魚を入れたくなるのが人情でして、すぐに60センチ水槽に代えてしまいました。以降私はそれを中心に飼育するスタイルとなったのです。

近頃はホーム・センターに行くと、60センチ水槽を「投げ売り」同然の値で売っていることがありますよね。私にはそれで十分なワケでして、要は(水さえ漏れなきゃ良い)
と思って使っています。

また、私には色んなことを試したがる癖がありますので、新規にセットするのも、たたんでしまうのも、60センチなら、そう手間がかからず、トテモ好きなのです。

なけなしの小遣いで買った水槽は、こんな水槽だった。オレンジ色のパテが妙に記憶に残っている。


  

濾過装置

私の自作の始まりが塩ビのパイプを使った「底面フィルター」です。無論昔からいくつかの濾過装置はあったのですが、これもやはり手が出ない。私のアルバイト先は「Y式上部濾過」の特許を持っている店でしたが、毎日店の水槽に設置してある濾過装置を眺めては
(いいなぁ・・・、自分もいつかは!)
と、ため息ばかりをついていたものです。

で、ネが工作好きなことも手伝って、底面フィルターを自作するワケです。塩ビパイプの端切れを手に入れ、中に砂を詰め込んで、ガスコンロで曲げて……。もちろん出来映えの良いものではありませんが、本人はいたって満足です。サランのネットで中敷きを作り、何日も灰汁抜きをした小豆大の珊瑚砂の中に埋め、エアーポンプで通気。先端からエアリフトされた水が出てくるときのあの満足感!そして、水が徐々に透明さを増してゆくのを見るのが、トテモ、トテモ楽しかったのです。

学生の頃と比べたら、多少は経済的な自由がきくようになりましたが、そんな思い出があるからでしょう、私が新規水槽を設置するときは、カタチは違うにせよ大概は底面フィルターです。

塩ビ・パイプはホーム・センターの定番アイテムですね。最近のホーム・センターでは、観賞魚のコーナーもあり、そんなところでは、無論、既製の底面フィルターも置いてあるようですが、一度自作されてみては如何ですか?エルボを組み合わせれば、簡単に作ることができますよ。



塩ビ・エルボを知ったことは、私にとってコペルニクス的展開であった。私はそれまで、バーナーで炙って曲げる方法しか知らなかったのだ。



第2章 海水のお話

天然か人工か

私が最初にセットした水槽には、人工海水と天然海水を半分ずつ使いました。当時の私のバイブルともいうべき、「海水魚の飼い方」(杉浦 宏先生著)には、ホンの少しであっても天然海水を使うべきであるという主旨の説明があったからです。で、果たしてそれがどうだったかと言うと、いったいどうだったんでしょうかねぇ…。

さて、一般的に言われる両者のメリ・デメを、私なりに整理すると、

 <天然海水>
 
メリット
  ○何といってもタダ。
  ○何といっても天然物!

 
デメリット
  ●冬場に汲むのが大変
  ●電車じゃ沢山を汲みに行けない
  ●まさか東京湾じゃねぇ
  ●近くに海のない人はどうすりゃ良いの?

 <人工海水>
 
メリット 
  ○とにかくインスタント     
  ○雑菌なし

 
デメリット 
  ●大量に使うとお金が…

ま、こんなところでしょうね?

私の拙い経験から言いますと、人工海水の方が手間がかからなくて「便利」です。普通の濾過装置で魚を飼うのなら、海水は消耗品と割り切って、定期的に換水するのが合理的です。その意味で、
(簡単に作れる人工海水が良い!)
というのが私の持論です。

色々使ってみましたけれど、大同小異。同じメーカーのものを長く使うのが良いのではないでしょうか。

ちょっと古い話をしますと、かつて読んだ洋書には、
 「天然海水を飼育水に使うには、煮沸してしまうのもテである。」
というようなことが書いてありました。ホントなんすかねぇ?


第3章 スターティング・フィッシュのお話
手ごろな魚に

私が最初に水槽に入れたのは、もちろん自家採集の魚です。冒頭述べたA君にもらった「カゴカキダイ」だったと記憶しています。私はその黄金色に耀く魚体を見ていて、
「長生きさせられたら良いなぁ」
と思っいつつ飼育をしておったのですが、新規水槽のいつものパターンで、悲しいかな僅かの期間しか飼えませんでした。なぜウマク飼えなかったのか?このワケは、今では何となく分かるのですが…。

いくつか気づいた点を挙げますと、

  ●水量が少なすぎた。(水質が悪くなりがち)
  ●心配になって、あれこれ弄くりすぎた。(濾過が安定しなかった)
  ●その他沢山(餌のあげすぎ)

といったところでしょう。えてして、最初の魚はウマク行かないものです。

さてスターティング・フィッシュはどんな魚にすべきなのでしょう?  私だったら、やっぱり採集魚をおすすめしますね。シーズンだったら「カゴカキダイ」、「ニザダイ」、「ソラスズメダイ」なんて如何ですか?何処にでもいる「オヤビッチャ」なんか、大人しくてそこそこ観賞価値もありますから最適です。水槽の起ち上げのために入れる魚だからって、あんまり美しくない魚じゃ嫌ですよね。安定水槽のために頑張ってくれて(つまり丈夫で)、私達の目を楽しませんてくれる魚を選ぶのが良いと思います。

シーズン・オフだったらどうしましょ?これはショップで求めるしかないですね。昔と比べたらお値段も手ごろになりました。ごくごく小さなスズメダイを入れたらどうでしょう。

いずれにしても、あまり沢山の魚を入れないことです。

  
「少な目の魚」

これが守れる水槽は、大概ウマク行くのです。



「オヤビッチャ」に良く似た「ロクセンスズメダイ」。「オヤビッチャ」の群れの中に混じってることがある。これだって十分観賞に耐え得る魚だ。

第4章 餌付けと餌のお話

好物は何?

海水魚の餌にも色々ありますね。人工の餌は、栄養の点なども考慮してあって、しっかりしたメーカーのものなら、安心して与えられます。「ドロマリン」などはとても良い餌ではないでしょうか?

私がA君から教えられた海水魚の餌は、「イトミミズ」でした。ちょっと脱線して、この「イトミミズ」の話を少しだけしましょう。

「イトミミズ」は、別名「イトメ」ともいい、私が海水魚を飼い始めた当時は万能の生餌でした。この餌の良いところは、水槽に入れるとユラユラと蠢くので、魚の好奇心をいたくそそるという点です。大概の魚はこれに餌付きました。ハコフグなんてのは、はしっこを口に咥えて、人間だったらまるで素麺でも啜るように、チュルチュルといった感じで食べます。

ところが悪い点の方が多くて、先ず第一にもともと真水に住む生物ですから海水には長持ちしません。ものの2、3分もしたらグッタリ。そのまま死んでしまいます。当然放っておくと水を悪くします。次に保存が難しいという点があります。そして何と言っても困るのが、水分ばかり多くて栄養価があまりないという点です。食べさせた当初は御腹がパンパンなので、見ている人間は大いに安心をするのですが、実はこれがイケナイようで、本当は血にも肉にもなっていないのです。

さて昔話はくれくらいにして、話を元に戻しましょう。

私がやってみて、「これはいいな」と思ったものが二つありまして、ひとつが冷凍アサリです。作り方や与え方は簡単、買ってきたアサリをそのまま冷凍して、与えるときは冷凍のまま包丁を入れ、二つに割ってポンです。私はこれを「アサリポン」と呼んでいるのですが、これだと比較的餌付けが難しいとされる、ポリプ食のチョウチョウウオなども食べてlくれるようになります。こまかく砕いた「ドロマリン」をすりつけて与えることを続けると、人工飼料への移行もスムースに行きます。

もう一つが冷凍のブラインシュリンプ。これも良い餌で、水流に乗せて流してやると良いです。

私はこれらの餌と人工の餌を並行して与えています。私が、昔と比べて魚をウマク飼えるようになった原因の一つには、「餌」の問題が改善されたという点が挙げられます。

第5章 メンテナンスのお話
畳と何とか?

振り返ってみると、まったくお恥ずかしい話ですが、まあ、「笑い話」として読んで下さい。

色気のない高校生でも、ヤッパリ水槽が汚れて来るのは嫌なもので、たまには水換えというものをやりました。それがどんなやり方であったか?というと・・・。

先ず、ホースの先端に木綿の布をゴムで縛り付けます。次に反対の口を水槽に入れ、サイホンの要領で海水をポリバケツに受けます。つまり飼育水を布で漉すワケですね。

水槽が空に近くなったら、魚を出して、中の底砂も全部別のバケツに出して、真水でゴシゴシ洗います。米を磨ぐ要領で、ザックザックと、ピッカピッカになるまで洗います。水槽のガラス面、飾り岩なんかもツルンツルンに洗います。そして漉した海水を水槽に張り、セットし直して、はい出来上り。もう完璧。

で、様子はというと、大体3日くらい経つと、魚の具合が悪くなります。ひどい時には全滅なんてこともありました。

何故だか分かりますか?水換えとは名ばかりで、海水は古いまんま、濾過細菌まで真水で洗い流しちゃっちゃあ、おかしくなるのも当然ですよね。

ある時その辺のことに気が付いた私は、水は半分だけ新しい人工海水と取り替えて、濾過砂はちょっとだけ、しかも捨てる海水で洗うようにしました。そうすると、あら不思議、魚の調子が悪くならないのです。

特にご説明する必要はないでしょう。
きっとお魚さんも新しい海水が好きなのだと思います。
参考になりましたか?

私は今でも2、3週間に1度の水換えを実行しています。お蔭様で魚は元気です。

第 6章 病気のお話

硫酸銅と売薬

海水魚の2大疾病と言えば、白点病とウーディニウムです。私も全く悩まされたもので、一体何尾の魚を犠牲にしたことでしょう。それも薬の使い方を知らなくて……

硫酸銅がこの2病の特効薬であることは、意外と古くから知られておりまして、そのことは多くの飼育書にも書いてありました。ところが、肝心の使い方を親切に書いてある本がとても少なかった!

正しい使い方は、硫酸銅水溶液を滴下し、一定の濃度に保つことなのですが、その濃度の維持の仕方が具体的に説明されていないのです。私なんざ、すぐに結果を求めたがる人間ですから、「効けばイイヤ」
てなもんで、粉末のまんま水槽に入れちゃったりして随分と無謀なことをやっていたものです。お魚さん、御免なさい。

しかし、とにかく治すのには硫酸銅しかない。私は仕方なく覚えました。ボール紙で天秤秤をつくり、1円玉を1gと見なして計量し、水溶液を作って滴下。試薬で濃度を計り、足りなければ足す。今では慣れたもんで(これはあまり自慢できないけれど)、自分の水槽だったら大体目分量で治せるようになりました。

最近はすごいですな。ショップにちゃんと白点用の薬が置いてあるんだもの…。粉末状のものから、液体のものまで、いやはや、時代の流れです。ほんと。

もちろん私も試しました。で、感想を言いますと、絶対市販薬の方が良いですね。まず、入手が簡単です。硫酸銅の場合はハンコを持って、薬局に行かなきゃなりません。次に使い勝手がよろしい。何故なら計量の手間がないからです。難点はチョットお高いという点です。

一つだけ気がかりなことがあるのですが、市販薬のどれもが、0.5から0.8PPMの濃度を維持するように薦めていることです。私はこれでは駄目だと思います。0.3で十分です。それで治ります。

奇病「口中虫」

少し横道にそれて、寄生虫の話し2題を…………

高校生の頃だったかに採集してきたミノカサゴには、口の中に寄生虫がいました。このミノ君、正面から観察していると、どうも変な感じがします。何かミノ君ではない誰かに睨まれているような、妙な視線を感じるのです。それもミノ君の口の辺りから。それで、じっくり観察してみると、なんと彼の口の奥に一対の眼があったのです。黒い眼です。いや、びっくりしたのなんの!

ところがこの眼はちっとも動きません。何日経ってもミノ君の口の中にあるのです。最初は気味が悪かったのですが、しばらくするとこちらも慣れてきて、さらに良く観察してみる気になりました。そうするといくつかの点に気が付きました。

先ず第一に、どうも虫らしいものが口の中にいること。第二に、眼はそいつの眼であること。そして第三に、虫らしきものはしっかりとミノ君の口の中に根を張っていること、などです。

さて、ミノカサゴの餌って、何だかご存知でしょうか?そうです。生きた小魚などです。従って、結構餌の面倒が大変なのです。毎日与える必要はないものの、それらを手元にストックしておかなければならないのでして、ついつい餌をやるのが億劫になってしまうのです。

言い訳はこの辺にしておいて、「眼」の観察に飽きてしまった私は、いつしか別の水槽に心を奪われて、ミノ君の世話のことなどスッカリ忘れてしまいました。で、可愛そうなことに暫くして彼は死んでしまったのですが、亡骸を片づけようとピンセットを近づけたとき、実に驚くべきことが起こりました。

何と死んだミノ君の口中の「眼」が動きはじめたのです。しかもジワジワと中から出て来ようとするのです。私は思わずピンセットを掴んだ手を引っ込めましたが、勇気を奮い起こしてなおも見ていると、出てきました!全体が!

出てきたのはフナムシそっくりの、足が沢山ある「虫」でした。早速に図鑑で調べてみましたが、一体何者なのかわかりません。寄生虫には間違いないでしょう。ミノ君の口中で、彼の身体に居候をきめこむことで余録に預って、彼が死ぬと、もはや何も得るものがないと察して引越しを始めたのです。

いや、不思議な生物がいるものです。名づけて(帝都物語中の腹中虫ならぬ)「口中虫」。
ほんとはなんて虫なんでしょうね?

あなたの愛魚の口の中にもいるかもしれませんヨ………いひひ。

後日譚:その後インターネットで知り合った「プアマリナ」さんという仲間から、かの「虫」が「タイノエ」(ウオノエともいう)という寄生虫であることを教えて戴いた。まったく仲間というのは有難いものだ。



奇病「眼頂虫」

これはアルバイト先で見た寄生虫です。

ある日入荷した魚の中におかしなお魚さんが
いました。体長は約5センチ、まるまると太った「ソメワケヤッコ」というお魚さんです。さてこのソメワケヤッコの「おかしな」ところは、右眼球に黒い米粒大の「胞子」のような物体が「生えて」いることでした。ウマク説明できないのですが、米粒に1ミリ位の「柄」を付けて、黒く塗ったものが眼の上に立っていると思ってください。

とにかく、あの青と黄色に美しく染め分けられた魚体に、おかしな、異様なものが突っ立っているわけです。ソメワケ君自身もひどく邪魔っケに思っていたでしょう。だいたい、泳ぐのに不自由そうなのですからね。

それでも元気そうに泳いでいるので、私も2、3日の間は放っておいたのですが、しばらくすると見ている人間の方が、どうも落ち着きません。いつも見慣れている魚の姿と違うのですから、気分的に居心地がワルイのです。潜在的に
(こうあるべきだ)
と思っているものが
(そうでない)
からに違いありません。

そこで先輩のN氏と相談のうえ、思い切ってその寄生虫の切除手術をすることにしました。今はもう覚えていないのですが、ウレタン系(?)の麻酔薬で眠らせて、「胞子」をとっちゃおうというのですね。

先ず魚をバット(プラスチックの器)に採り、その中に麻酔薬を溶かします。すると5分もしないうちにコロッと横になりますから、ピンセットで「胞子」を挟み、軽く引っ張ってみました。ところが意外!これが結構強く根をはっているようなのです。今度は思いっきり強く引きました。するとツルンッてな感じで取れました。やはり「柄」の先端には、二枚貝の足糸みたいなのが付いてました。きっとそこから栄養を吸収していたのでしょう。

ほんとは「眼」まで取れちゃうんじゃないかと、実のところヒヤヒヤものでしたが、当のソメワケときたらグウグウと寝ています。そして20分もしたら、フラフラと泳ぎ出し、術後30分で元どおりです。その様子は、変な物体がなくなって如何にもサッパリとした感じでした。

さて肝心の「胞子」ですが、どうしてしまったものかぜんぜん覚えていません。捨ててしまったのかもね。

寄生虫2題、ご感想はいかがでしょうか?どなたか専門家のかた、こいつらの正体ご存知でしたら、教えてください。


ソメワケヤッコという黄色と青の美しい魚。目の上に寄生虫が付いていた。世の中には不思議な生き物がいるものだ!


後日譚:これもインターネットで知り合った「あつもり」さんという専門家から、「イカリムシ」という寄生虫であることを教えて戴いた。やはり仲間は「偉大」なのだ!

第7章  無くても良いが、あると助かる器具のお話

プロティンスキマ

最近は、この器具のことをFFというんだそうです。とてもかっこいいですね。

私が初めてこの器具のことを知ったのが、アクセルロッド博士の著わした、「エキゾチック・マリン・フィッシュ」という本の中ででした。透明の筒の上に、コーヒーカップのような物が乗っかっているヘンテコな器具の写真が出ていて、
「???????」
と思ったのを覚えています。
当時の私は、魚の事しか頭にありませんでしたし、説明も詳しくは載っていないので、その変な器具のことはすっかり忘れていたのですが、それからン十年後になってNIFTYのフォーラムに参加したのがキッカケで、俄然興味を抱くようになりました。

先ずは偵察ということで、ショップへ情報収集に出かけたのですが、驚いたことに、高い! ね、値段が!先ほども述べましたが、透明の筒が4、000円以上もするのです。ただ単に泡が立ち上っているだけの器具が!

こうなりゃ自作するしかないです。で、作りました、早速。
(当ホーム・ページ「Do it yourself!」のページをご覧ください。)

さて、使用感ですが、これは優れモンです。私は無脊椎水槽の方も、頻繁に換水をする方で、結構水質には自信があったのですが、まぁ汚い水の取れること!たった1週間ほどで、コップ2杯ほどの茶色い汚水が取れました。ビックリしたなあ、モウ!(古いギャグ)

ということで、これだけ目に見えて汚れが取れるのですから、大いに効果はあるハズです。私には詳しい説明はできませんが、特に無脊椎水槽には有効な気がします。

では、本稿のテーマである魚水槽にはどうでしょう?

私は、特に必要ないと思っています。理由ですか?よくわかりません。ハッキリしているのは、

「私のスキマを使用していない魚水槽でも、長期飼育ができている」

という事実だけです。

でも、使ってみたいですよね。えへへ。

殺菌灯

私の仲間である採集・自作の大家H氏の持論は、
「魚飼育の場合、特に初心者には、殺菌灯は非常に有用な器具である」
というものです。

では、殺菌灯とはどんな器具なのでしょう?
端的に言いますと、紫外線の殺菌力を利用して、飼育水中の雑菌を退治してしまう器具のことです。病院や食品を扱う施設のトイレなどで、手を乾かす温風器などに紫外線殺菌灯がセットされている場合がありますが、見たことありませんか?基本的には、アレと同じ原理なのです。

もう少し詳しく言いますと、紫外線殺菌灯をセットした筒の中に飼育水を通して、その中で雑菌を死滅させてしまおうというものなのです。

特に魚病の予防という点では、大いに効果があるようです。「ようです」というのも頼りない言い方ですが、なにせ私は使ったことがない…。あはは、笑ってゴマカス。だから大きなことは言えないのですが、一つ好例をご紹介しておきましょう。

Mさんという仲間がいます。このかたは60センチ水槽に、手のひら大のチョウチョウウオを数尾、巨大シライトイソギンチャク、やはり手のひら大のナンヨウハギ、7センチほどのクマノミ・ペア、その他ハゼ類を一緒に飼育しています。魚がすれ違おうにも、ごっつんこしてしまいそうな超過密飼育です。で、この人のシステムはというと、淡水用の上部濾過と底面濾過、そして殺菌灯なのです。病気は何年も出ていないばかりか、クマノミが毎年産卵を繰り返すほどの好調さ!殺菌灯が寄与していることはどうも間違いはなさそうですね。

では、殺菌灯は万能かというと、実はそうでもないのです。病気が出にくくなるのは確かですが、滅菌してしまうことはできません。病気が出ることは出るのです。白点が出たら殺菌灯で治しなさいというショップがありますが、これはウソです。あくまでも予防と考えた方が良いでしょう。

私?もちろん使ってません。病気が出たら、魚体に影響が残らないよう、薬で治します。濾過がウマク働いてくれば、病気が出ても自然治癒するのがほとんどです。

プロティン・スキマと殺菌灯、どちらも万能ではありませんが、あると不思議に安心するというのも事実であります。使うも使わないも、あなたの勝手。(^^)

第8章 海へ繰り出せ

情報の宝庫

昔は追いかけるのに必死で、魚の普段の行動などチットモ気にも留めなかったのですが、最近では「老い」の境地で、しばらく観察してから捕まえるようになりました。

そうしていると、色々なことに気が付きます。例えば稚魚の行動などがそうです。

チョウチョウウオの稚魚、所謂「豆チョウ」と呼ばれるものは、いつも岩肌をつついています。これはどうしてだと思いますか?御腹が空いているから?もちろんそれもあるでしょう。でももっと違う意味があるのではないでしょうか?

これは私の想像ですが、きっと彼らは「そうしなくては生きてゆけない」のではないかと思うのです。つまり常に食べていなければ、体力の維持ができないのだと。

また、モンガラの類を追いかけていると、必ずといっていいほど、自分がやっと隠れることのできる「穴」の中や、「割れ目」の中に入り込んで、例の刺を突っ張って出てこなくなってしまいます。そうなるともう持久戦で、ひたすら出てくるのを待たなくてはなりません。じっと待っている間に、
「ああ、あの刺は、こういう時に使うのか!」
と、今更のように気が付くというワケです。

もっと別の見方をすると、例えばあの魚は常に単独で居るとか、必ず群れで生活しているとか……、数え上げたらキリがありません。

これらのことを知っているということは、飼育を行う上でも、大変に大切なことだと思います。少なくとも知らないで飼っているよりは多くのことを学べるでしょうし、新しい知識を得るって、トテモ楽しいことだと思うのです。

海は情報の宝庫です。海水浴のついでに「潮だまり」の中を覗いてみましょう。ひょっとしたら、熱帯の魚を捕まえることができるかもしれませんヨ。


採集の手ほどき

海に行って、ただ観察するだけじゃツマラナイでしょ。だって、目の前をシマシマのお魚が泳いでいるんですヨ!大概の人は、
「連れて帰りたい!」
と思うはずです。
でも、まさか素手では採れませんね。そこで次に「採集」の実際について、少しだけお話ししましょう。決して難しい話はいたしません。どうぞお付き合いを。


道具の用意

まず、網を用意しましょう。簡単な網の作り方をご紹介しますので作ってみて下さい。

用意するものは、クリーニング屋さんで使う針金ハンガーとサランの防虫ネットです。針金ハンガーの枠を広げて、防虫ネットを適当にカットし、木綿糸かなにかで、適当に縫いあわせてハイ出来上り。そのシーズン限りの「使い捨て」になりますが、立派な採集道具です。

あとは適当に。水中眼鏡とシュノーケルは必需品です。軍手、バケツも持って行きましょう。
「持ち帰り用」として、携帯用のエア・ポンプ1式があると良いです。

時期は何時?

私が本格的採集活動に没頭するのが、大体6月の後半から、10月半ばにかけてです。この時期の大潮の日を選び、干潮の時間の少し前に磯に到着するように出かけてみて下さい。潮回りは釣り雑誌やスポーツ新聞に出ていますし、釣り道具屋さんにその年の潮時表がおいてありますから、そちらを参考にすると良いでしょう。

潮時表
釣具屋さんに行くとこんな潮時表がカウンタに置いてある。大概はタダ。

私のHPをご覧になってる皆さんは
インターネットで「潮時表ソフト」をダウンロードすると良い。

採集場所近くの釣具屋さんには地元の潮時表が置いてある。
それを集めるのも面白い。

コツ

コツなんてものは、ホントはないのです。 とにかく丹念に潮溜まり(タイド・プール)を見て回りまししょう 。

○なるべく足音をたてないようにソーッと近づく
○影を水面に落とさないよう、ソロリソロリと覗く
○水の中に入っても、あまりバシャバシャしない
○捕まえたい魚を見つけても、決して慌てない
○網で追いかけるというより、網の中に追い込む
○見失っても「深追い」しない(たいてい同じ場所に戻ってくるから)

私が心がけているのはそんなところだけです。とにかく経験(慣れ)です。場数を踏むのが上達のコツです。

防波堤も

採集のときは、防波堤も見て回りましょう。こちらはこちらで沢山の珍しい魚が採集できます。仲間の中には「防波堤派」または「岸壁派」と称する人たちが沢山いますが、彼らは毎年そういった場所だけで活動しています。「ヘーッ!?」と思うような魚を捕まえて飼っています。

柄の長い玉網を持って行くと良いでしょう。

防波堤のコーナー

防波堤や漁港のコーナー(上図の★印のようなところ)を覗いてみることだ。
きっと面白い魚が取れるだろう。
知らない人が見るとゴミを漁ってるようにしか見えないけど、恥ずかしがってっちゃ駄目。

仲間と出会う

磯に行ったら、きっと気が付くことがあるでしょう。同じようなことをしている人が沢山いるということに。

魚を追いかけるのに疲れたら、ちょっと一息ついて、回りを見渡してみましょう。そういう人たちと「お友達」になるのも、楽しみの一つです。格好なんかつけてないで、
「こんちは!何か珍しいのが採れましたか?」
なんて聞いてみましょう。やがて、
「どこから来たのですか?」
「お宅は?」
「どんな魚を飼っているんですか?」
という会話になっていくはずです。

ほらね、楽しいでしょ?

相手の方が、自分よりも先輩だと見てとったら、道具などを見せてもらいましょう。嫌とは言わないと思いますヨ。

磯で知り合った仲間って、長い付き合いができるものなのです。

おっと、大事なことを忘れてました。はじめのうちは、必ず複数の人と採集に行きましょう。海では、何が起こるか分かりませんから。