キンセンハゼに雪辱

easy dose it -101- 「キンセンハゼに疲労困憊」でご紹介のとおり、あのテの魚はなかなかに捕獲が難しいものです。穴ぐらを中心に生活している彼らは行動範囲も限られているのですが、見つけることが出来たとしても、その穴ぐらに逃げ込まれてしまっては、通常のやり方で網に収めるということは大変に難儀なことなのです。

98年の秋、「X」の磯で完全におちょくられた格好の私は、
(いつかこの手で捕まえてみせるんだ!)
と、いくつかの妙手を頭に描いて、いわばイメージ・トレーニングを続けておったのですが、意外にも正攻法でこれを get することが出来ましたので、チョイとばかりその顛末をご紹介しましょう。

それは2000年の春、南の海へ採集遠征に行ったときのお話です…。

車から出るとたちまちに体がグッショリとなってしまいそうな生憎の空模様。寒がりの私はこういう天気が大の苦手です。こらえ性のない私はすぐに集中できなくなってしまうからです。また海に浸かったとしても、水面近くは陽炎が立っているように「モヤモヤ」としていることでしょう。ガバと潜ることをしないで採る私にとっては、相手を見極めるに「よろしくない」コンディションでもあるワケでした。

(あ〜、やだなあ〜〜)
とは思いつつも、
(せっかく来たんだし、ここで挫けるのはやっぱり良くないよね…)
などと自分を励まして、背中を打つ雨の滴の冷たさを我慢しながらウェット・スーツに着替えてしまうと…あら意外、気分はすっかりシャキッとなっちゃって……。

というワケで、準備を整えた私は、波打際の磯にバケツなどを下ろして水に浸かり、お腹を擦りながら前進を始めました。

進む途中にグルリを見渡すと、アチコチに「根」のような岩場が点在して、その下には真っ赤な魚が見え隠れしています。きっとアカマツカサやイットウダイの仲間でしょう。私はそれらの「根」にソッと近づいては、その岩肌を
(なにかいないかな?)
それこそ舐めるようにして探索を繰り返しておりましたところ、もう岸からは随分と離れた一つの「根」の空洞に、「恋人」のキンセンハゼがいることを発見したのでした。

私は興奮に打ち震えました。そして自分に言い聞かせたのです。
(あわわ、お、お、お、落ち着くんだ!!)
#つまり、そうとう慌てていたことになります。

しかしこの時私は、予め考えていた「妙手」の道具を持っていませんでした。あるのはいつもの稚魚専門網2本だけ。引き返して道具を持ってくるなんてできっこありません。そこで私は真っ向から彼とのゲームを始めることにしました。

まず自分の態勢を整えます。無理のない状態で体を固定して「盾」にします。次に脇を絞めて一方の網を構えます。そして他方の網で「彼」をコントロールして行きました。ここには入り江のような場所はありません。荒っぽく出て警戒させては元も子もない状況の私は、じっくりと事を運びました。そしていよいよという時!こちらの動きを察した彼は、ヒョイと岩棚の下に逃げ込んでしまったのです。

(あちゃ〜!)
やっぱり一人では駄目かも知れないと思った私は、相棒のA君の姿を捜し求めました。が、見渡す限りの海原に彼の姿は見当たりません。きっとどこかの岩に
「ペタッ」
ってな感じで張りつきでもしているに違いありません。

(仕方がない!)
私は再び顔を水に浸けると、彼の出て来るのを待ちました。雨は相変わらず降り続け、マスク越しのモヤモヤは一層その濃さを増して来ました。幸い水深は腰の深さほど。息継ぎの心配は不要でした。そして、じっとじっと待つこと15分ほど…。用心深く出て来た彼は少しずつ岩棚を離れて行きます。そしてその間隔が
「彼がもう一度逃げ込むよりも、私の動きの方が早い!」
と直感した時、私は自分でもビックリするほどアッという間の早業で彼を網に収めてしまったのです!

この時の私の感激を想像してください。イケスに入れる時の私の手の震えが、読んでる皆さんに伝わりませんか?

私はもう2度とこの魚を捕まえることはないでしょう。延べで20分ほどのゲームでしたが、一度だけで十分。私はこれ以上ないまでに、シッカリと楽しむことが出来たのですから。

いかがでしたか、キンセンハゼに雪辱の巻?


ハイ、このとおり。
採った直後のバケツの中の写真です。
今は我が reef tank でハグハグしてます。

(00.04.24)

ウミヘビと海蛇

所謂「うみへび」には、魚類の「ウミヘビ」と爬虫類に属する「海蛇」がおりまして、今日はそれにまつわるお話です。

ウネウネと蠢く「魚」の「シマウミヘビ」を採集したのは、99年の春のこと(採集記 巻三「頭隠して尻隠さず」参照)。白い地にこげ茶の縞模様。長虫系ではありますが、これが飼育にはうってつけのサイズでしたので、私は大変に気に入りまして、暫らくの間はリーフ・タンクに入れて大事に飼っておりました。が、もともとが穴ぐらや岩の隙間を棲みかにしているせいでめったに姿を現しません。そのうちも何もない、スッカリ出てこなくなってしまったと思ったら、今度は収容中のタンクに思いもかけない事故が起こって、魚たちは全く悲しいことにほとんど全滅・・・。

そんなこともあって私は、
(もう1回海で会うことができたら、それも同じくらいのサイズのものなら・・・)
と、遠征に行くたびに、採集のチャンスを伺っておりました。

さて家族旅行で出かけたX島最終日のこと。家族一行で島内観光!というわけで、レンタカーをブリブリと走らせておりましたところ、家内が、
(あ、ここ、綺麗!ちょっと写真撮ろうよ!)
と指差したのは某漁港。海峡に面したその海面は透明度も抜群。上から見下ろしていると、何だか宙に浮いているような錯覚に陥ってしまいます。私達は通り掛かりの観光客の方に御願いをして写真を撮ったりしておりました。そのうちに私と息子の変な病気が疼き出しまして、
「おい、T彦、ちょっとあっちの岸壁を覗いてみようか?」
私がそう言うと、息子は少しにやりと笑って、
「うん、やっぱね。」
否やがあるわけもありません。

で早速に岸壁のコーナーを覗き込んでおりましたところ、壁伝いにヘロヘロと泳ぐ細長くて体長20cmほどの生き物・・・。私は、
(あッ!シマウミヘビ!)
とっさにそう直感しましたから、小さな声で息子を呼びました。
「網持ってきてくれ!」

最近は息子も慣れたもの。一人で玉網を組み立てて私に手渡してくれました。私は生き物から目を離さずに手探りで受け取り、これを簡単に網に入れました。そして徐々に手繰り寄せて確認をしようとしたところ、頭の様子がちょっと違う。尾ひれの形状も違う・・・。
(ということは?)

私の、
「わあ!」
という叫び声が早かったか、それとも網をひっくり返して逃がすのが早かったか・・・?。そうです。私が捕まえちゃったのは、爬虫類の「海蛇」であったのです。模様から判断するとエラブウミヘビでしょうね。いや、怖かったですよ。たとえ20cmほどでもネ。だってコブラ科ですよ。下手に触って噛まれでもしたら、待っているのは「死」。思い出しても震えが来ます。

ということで、長い物には充分注意しましょうということ。

因みに、爬虫類の「海蛇」は日本沿岸にもよく漂着するんだそうであります。同じくコブラ科のセグロウミヘビなんてのは多いそうですね(「漂着物学入門」平凡社新書 中西 弘樹氏著 より)。もっぱら晩秋から冬季に打ち上げられるということですが、くわばらくわばら・・・。お題が「蛇」だけに、「蛇足」だったりして・・・?。

おあとがよろしいようで・・・。

(00.04.28)

カレイ採りには脚立

今は昔、東京は下町の釣り人に愛好された釣りに「青ギスの脚立釣り」というものがあったそうです。季節は八十八夜。早朝3時とか4時頃に人数分の脚立を積んで出船。釣り場に着くと脚立を海中に立て、その上に釣り人が上がり釣るという方法で、使う竿やビクが決められていたり、脚立に乗る順番は一番クジからなどと、一定の作法やルールがあって、ある意味では「通」とか「粋」を味わう世界でもあったんでしょうね。

2000年の4月下旬・・・。
(そろそろ「近場」の偵察にも行きたいな・・・)
なんてことを思っていたところへ、A君からの、
「GW、東京湾にカレイ採りに行こうよ。」
というお誘い。もちろん私は二つ返事でこれを受け入れてはみたのですが、砂浜で追いかけた経験はあるものの、彼の言う『運河』みたいなところは行ったことがありません。
(ホンマに採れるのかいな?)
正直言って半信半疑の状態であったのです。
とは言っても、彼はウソをつくような人間ではありませんし、
(何事も経験)
そう思い直した私は、まだカレイ採り未経験の幾人かの仲間に集合を呼びかけ、その当日を待つことにしました。

いよいよ当日。集合時間にまだ時間のあることを確認した私とA君は、どちらから言うともなく、
「やっぱさあ、採れないとせっかく来た人達が可哀相だし、偵察しておこうよ。」
で、集合場所からほど近いH島の海岸へと向いました。そして2,3箇所を巡っておりますと、投網を打っているオジさんや、貝掘りをしている人達の姿に目が止まり、
(むむ、これは期待できるぞ!)
の予感。多少は気分的に余裕が出てきたりもしたのでした。要は自分たちも心配だったんですね。誘ったはいいけど採れなかったりしたら恥ずかしいな・・・なんて。

さて仲間数人と向ったのは、K島の運河に面したT公園。到着したのは干潮の少し前でした。既に干潟は多くのレジャー客で賑わっています。が、そこにどうやって降りたら良いのかが分かりません。私達が立っている護岸は随分と高いところにあり、そこからはチョイと飛び降りるというワケには行かないのです。

それでも人の多くいる場所を目指して進むと、木立の切れたところに人の列。見ると脚立があって、降りる順番を待っているようです。誰が立てかけたかは分からないけど、皆それを使って降りているのでした。もちろん私達もコレを使って無事着地。水際近くにシートを敷いて、早速に採集活動を開始したのでありました。

と、ものの10分もしないうちに、カレイ採り初体験eさんの、
「あの、採れましたけど・・・」
という淡々とした声。網の中を見せて戴くと、これが丁度良いサイズのカレイの赤ちゃん!聞けば玉網で簡単に採れるということ。私も早速に網を変えて挑戦です。で、やってみますとコレが面白いように採れます。小一時間もするとバケツの中はカレイで一杯になりました。

そうこうするうちに「潮時」というわけで、私達は大き目のものをリリースして、さて帰ろうとしたのですが・・・。
「あ、脚立がない!」
何と、降りるのに使った脚立がないのです。持ち主が帰るついでに片付けちゃったんですね。目の前には3メートルくらいのコンクリートの壁・・・。まあ、何とか力を合わせて皆這い上がったんですが、私は一瞬ヒヤッとしましたね。

それはともかく、
(脚立も採集道具かな?)
そんなことを思ったりもした春の一日でした。

GWでも道は空いてるし、お金もそんなに使わない・・・。カレイ採りもなかなか楽しめるものですよ。チットばかし汚れますがね。


どこかのオジさん。
まあこんな風にして、「ズリズリ」とやる。
相手を視認して捕らえるわけじゃないから、
言ってみれば「地曳網」みたいなものだ。
しかしこのオジさんなんかの姿より、
回りの風景をよく見て欲しい。
かような場所にも多くの生物がいる。
彼らは実に逞しく、したたかなのだ


東京湾だって頑張ってる・・・


(00.05.06)

枝間で「おにごっこ」

キンセンハゼに雪辱を果たす前の日のことでした。

ウェット・スーツに白いポロ・シャツといういでたちで、数年前にも入ったことのある磯で採集を楽しんでおりましたところ、小さな岩の上に見覚えのある模様の魚を見つけた私は
(お、ヨスジハゼ?)
と、これを見逃してあげることにして通りすぎようとしましたところ、どうもおかしなことに気がつきました。それは、
(アレ?こんな場所にチョコンと乗っかっているような魚だっけ?しかも単独で・・・)
ということでした。

ヨスジハゼというのは、以前にもご紹介したことがありますとおり、銀白色の地に漆黒のラインが入った、派手さがない反面大変に上品なハゼで、どちらかというと陽の当たらない岩穴の天井付近に群れで生活している魚です。

(そんな魚が、こんなに強烈に太陽の照り付ける礁湖の岩の上に1尾だけでいるだろうか?)
そう感じたのですね。

そこで私は顔を近づけて観察してみることにしました。すると意外なことにその魚は逃げようともしません。それどころか、面白いことにちょっと小首を傾げるような仕種をするではありませんか!私はさらに顔を近づけてみました。と、その魚はイチモンジコバンハゼであることが分かりました。それと同時に私の頭に一つの疑問点が浮かびました。
(不確かな記憶だけど、確かミドリイシなどの枝間が棲家じゃなかったんだっけ?)

つまりそこは死んだサンゴの骨格しかない、実に殺風景な場所だったからです。しかしイチモンジコバンハゼがそこにいるというのは事実です。

(これは千載一遇のチャンス!)
私の体は緊張感に包まれました。

幸いなことに、私は右の手に伝家の宝刀「稚魚専用網」を持っておりましたので、試しにこの子に近づけてみました。すると案の定、岩の上を滑るように移動して、チョッとした出っ張りの向こう側に姿を隠してしまいました。私もそれに合わせて移動してみると、その向こう側に、おお、何事もなかったように鎮座ましましております。

私は右手で退路を断ち、軍手をはめた左手でそっと追ってみました。するとツンツンと移動を始めた彼は、網枠の手前まで来て、動きを止めました。

(おお、あともう一息・・・)
と、彼は網枠に沿って移動をして、そのすぐ近くの海藻に覆われた死サンゴの枝の上に乗っかってしまいました。

(あやや・・・)
私は仕方なく別の方向に網を構え、今度は人差し指で追ってみました。が、彼はスルリとそれをかわし、その裏側へ。再び態勢を変えて、チョイ。またまた逃げるのでチョイ。チョイチョイのツンツン。チョイチョイのツンツン…。枝間の「おにごっこ」です。

そんなことを何回続けたでしょうか?やっとのことで網に入れたその子ときたら、ほっぺを赤くしておりましたっけ。「おにごっこ」で捕まったことが恥かしかったんでしょうかね?うふふ。


写真は撮ったが、小さすぎて
何が写ってるんだかわからない。

イラストでご勘弁。
もう少し白が鮮やかだった。
ほっぺの赤さが印象的だ。

(00.05.10)

喜びと悲しみの1日

甥っ子の小学生“たく“から電話があったのはGWの幾日か前のことでした。

たく:もしもし、あ、syunおじさん?“たく”だけどね。
私:おお、“たく”か?どうしたの?
たく:あのさ、あのさ、こないだね、イソギンチャク買って来たの。そいでさ、クマノミ
   も買って来てネ、水槽に入れたんだけどさ、イソギンチャクがね、あっちこっちに
   動くんだよ。そいでさ、大丈夫かなと思ってサ、そいでね、syunおじさんに電話し
   たの。
私:ああ、それなら心配要らないよ。お店から“たく”のお家に引っ越してから、まだそ
  んなに時間が経ってないだろ?だからきっと落ち着かないんだよ。気に入った場所を
  見つけようとしてるんだね。そのうちジッとすると思うよ。“たく”だって新しい
  お家に引っ越したばかりのときは、落ち着かなくて眠れない時があったろ?

実はこの“たく”君、暫らく前に新しいお家へ引っ越したばかりなのでした。そのせいもあって、私の説明は彼を納得させるに十分なものでした。

たく:ふ〜ん。そうか!イソギンチャクって、随分たくさん動くんだね…。あとさ、クマ
   ノミなんだけどさ、1ぴきは餌を食べるんだけどさ、もう1ぴきがね、食べないの。
   どうして食べないのかなあ?
私:う〜ん、それは難しいなあ?2ひきの大きさは違うのかな?買う前は元気だったかな?
たく:あのね、買うときは元気だったよ。水もね、お母さんに作ってもらったから大丈夫
   だよ。
私:ふ〜む、お母さんと買いに行ったんだね?じゃあお母さんと代わってくれるかな?

私はそこで“たく”のお母さんと話をしたのですが、どうも電話の説明だけではやはり「話」がうまく伝わりません。そこで今度の日曜、私達一家が“たく”のお家の新築祝いに行ったときに見てあげよう…ということにして、その日の会話は終わったのでした。

さて当日、私が玄関先でお土産のカレイの赤ちゃんを差し出してみると、“たく”はいたく興味深々のご様子です。酸素詰めしたビニール袋を、上から下から、そして横からと眺めていました。が、すぐに思い出したように、
「あのね、syunおじさん、クマノミね。どっちも死んじゃったの。どうしてかなあ?あ、それからね、イソギンチャクも死んだフリするの?昨日は全然動かなかったんだよ。でも今日は元気なんだよ。ねえ、syunおじさん、どうしてかなあ?」
質問の嵐です。私も、何とか彼の納得の行くような説明をして上げようと、無い頭をひねくり回していたのですが、“たく”ときたら今度は、
「あ、そうだ。クマノミ、可哀相だから埋めてあげなきゃ…」
と言うなり庭に飛び出して、小さなスコップで穴を掘り始めました。クマノミのお墓を作ろうというのですね。私は彼の行動を見ていて、思わず微笑んでしまいました。

私は“たく”が庭にいる間に、新しくセットした水槽に目をやりました。それは横の長さが60cm、水量20Lほどのスリム・タイプ水槽で、非常に細かい目の白い砂で底面濾過が施してありました。
(あれ?海水ではあまり見ない砂だなあ?それも目が細かすぎるんじゃないの?)
そう感じた私は“たく”のお母さんに、水槽導入の経緯を聞いてみましたところ、前の家の近所のショップで「セット」で売っていたもので、魚、イソギンチャクも同時に購入し、その日のうちに海水を作り、直ぐに入れちゃったんだそうなのですね。

私はカレイの赤ちゃんを水槽に移してあげながら、
「やっぱりサ、水が「出来て」ないんだよ。今度からは、もう少し様子を見てから入れた方がいいよ。」
と“たく”のお母さんに、クマノミ飼育失敗の原因を説明してあげました。クマノミのお墓作りの終わった“たく”も、小首を傾げて説明を聞いていましたが、そこは子供のこと、
(何のことやら?)
という顔つきです。

さてそうこうするうちに新築祝いの宴が始まり、やがて終わり、私達一家は車に乗って帰り道についたワケですが、その途中で家内が忘れ物をしたことに気が付きました。幸いにもわずかな時間しか走っておりませんでしたから、私は車の向きを180°転換して再び“たく”の家へと向いました。

そして“たく”の家に車を横付けしたところ、なにやら妙な気配……!?。窓の外から見える“たく”が水槽を覗きながら大きな声で叫んでいる様子が見えたのです。と、こちらの気配に察した“たく”、何かを手に玄関から私の車へと走り寄ってきました。
「syunおじさん!さっきもらったカレイの赤ちゃんね、水槽の外に出ちゃって、干物になってたんだよ…。」
手には半分干からびたカレイの赤ちゃん…。

私は、
「……、そうか、残念だったね。でも大丈夫、またsyunおじさんが採ってきて上げるからね。」
そう言うのが精一杯でした。わくわくする気持ちで買ってきたクマノミが☆となって落ち込んでいたところへ、私があげたカレイの赤ちゃんで少しは気分が上向きに…。それなのに、また立て続けに☆……。私には“たく”の気持ちが痛いほど分かったからでした。不運続きの“たく”…。

私は、これからその日2度目のお墓作りをしている“たく”の姿を想像しながら、暗い気持ちで車をスタートさせたのでした…。

GWの真っ只中、喜びと悲しみが一緒に訪れた“たく”の1日・・・。

(00.05.17)

手乗りトビハゼ

5月の某日、A君の家で大変に楽しい体験をして参りましたので、今夜はそのお話・・・。

「明日来る時に、デジカメ持ってきてヨ」
と頼まれていた私は、愛用のオリンパスC900-ZOOMを携えて、雨模様の中、ワクワクするような気持ちでA君宅へ向ったのでした。というのも、
「ミナミトビハゼの『調教』に成功したんだぜ!」
という話を聞いておりまして、私は早くその成果を見たくて仕方かったからなのです。

A君の家に着くと、案内されたのは2階の部屋。そこには幾つかの水槽が置いてあるのですが、その中の一つにミナミトビハゼの水槽がありました。それは1/5ほどに海水を張った45cmのガラス水槽で、中には鉢植えのマングローブの苗木が1本と、ミドリガメの飼育に使うプラスチックの「浮島」があるだけという、いたって殺風景なもの。さてそこを覗き込むといいますと、おやおや、ミナミトビハゼ君が2尾いて、上目づかいに私を睨み返しました。

(ははん、こいつらだな?)
私は愛嬌たっぷりの彼らの顔をシゲシゲと見やりました。

ミナミトビハゼというのは、皆さんよくご存知の「ムツゴロウ」を小さくしたような魚で、生息場所は主に南方の干潟。マングローブの林の中なんぞは彼らの天国ですが、、この魚の面白いところは、長時間陸上に出ていても平気なこと。実際私が覗き込んだA君の水槽でも、「浮島」の上に鎮座ましましていたようなワケでして・・・。

さて私が、A君のお母さんがいれてくれたコーヒーを啜っておりますと、A君、近くにあったフレークフードの容器の蓋を開け、
「じゃ、やってみる?」
と合図を送って寄越しました。まあこの辺は「阿吽の呼吸」とでも言ったらいいのか、私には彼が何をしようかということはすぐに分かりますから、デジカメをケースから出して撮影の準備にかかりました。

で、まず彼はフレークを一つまみ掌に取り、次にその手をそっと水槽の中へと移動させて行きました。中のミナミトビハゼは一向に動じる気配がありません。そしてA君は更に手を動かし、1尾の鼻先へと持って行きました。

すると!

掌に気付いたミナミトビハゼ君、何の躊躇も無く、両手(?)を器用に動かして、ピョンピョンのピョンッ!とA君の手に乗っかり、チュバチュバとフレークを啄ばみ始めたのです!

あのね、お断りしておきますが、コレは水の中の出来事ではありません。「空気中」での出来事なのであります。魚が人の手の上で餌を食べるなんて!

「あハハのハ!」
私がその瞬間、写真を撮るのも忘れて、大きな声で笑ったのは言うまでもありません。

が!

(こんなことやって喜んでいる、もうすぐ50に手が届こうという我々は、一体何者なのであろうか?)
妙にそんなことが気になってしまう私なのでありました。

あ〜あ、でも面白かった。しかし、新種のペットを作り上げてしまうなんてA君は天才に違いありません。


ほら、ちゃんと乗っかって食べてるでしょ?
可笑しいよね?
しかし、こんなことやって喜んでいる俺らは
いったい何者なんだろうか?・・・


(00.05.21)



キイロハギのHole in one

飼育のスタイルには人それぞれのものがあって、例えば「底砂」一つにしても、
「だめだめ、あんなもん。ゴミが溜まっちゃって…。」
なんて人がいる反面、
「いやいや、いくらメンテが大変でも、やっぱ底砂がないと感じが出ないでしょう。」
と言う人もいらっしゃる。これはもう良いとか悪いとかじゃなくて、ラーメンが好きか、日本そばが好きか?という問題に近いモンがありますな。

私は最近「笑い」にも同じことが言えるんじゃないかと思うのでアリマして、他人が見たら、愚にもつかないようなことでも、当人にとってみればタマラナク可笑しいということがあるもので…。

我が家にはベルリン方式のリーフ・タンクがゴザイまして、私はこの水槽にキイロハギという藻食性のハギを入れて愛でておるのでアリマスが、このキイロハギ君、普段は何も餌をあげないというのに、実に健康的なウンチをいたします。あのヒョットコのような顔で、ヘロヘロ泳ぎの合間に、ポトン、ポトンとそれを落とすのですね。

さて同じリーフ・タンクに収容している「ウミキノコ」。最近はどうもご機嫌斜め。隣のキノコは元気いっぱいにポリプを伸ばしているのに、どうも今イチ元気がありません。と思っていたら、丁度「お皿」の真中あたりに人差し指でつついたような太さ、深さ2cmくらいの穴が空いております。

(おやあ?)
疑問に思った私は、M氏の運営するMLにことの次第を書き込んでみましたところ、Aさんという仲間から、
「あ、そりゃゴカイの仕業ですナ。広がるようでしたら早めにオペをやった方が良いですゼ。」
という有り難いご回答。

(ウ〜ム、ゴカイの姿なんぞ見かけんのだが…。そのうち塞がるんじゃあるまいか?)
私は正直言って多寡をくくっていたのでアリマスが、期待に反して、だんだんとその穴が大きくなって行くじゃあありませんか。

小心者の私ナンゾは、
(あわわ、こりゃ何とかせんと…)
とは思ったのですが、どうにもこれが踏み切れない。なぜかというと、それは先にご紹介のキイロハギ君のウンチのせいでアリマして、彼が泳ぎながらするウンチが、水流にうまい具合に乗っかって、キノコの「お皿」にできた穴に百発百中でホール・イン・ワンしてしまうからで、私はその有様がタマラナク可笑しくて仕方がないからでした。少なくとも私が見ているときは、100%の確率です。

これは可笑しいです。実に可笑しいです。誰が何と言っても、私は笑ってしまうのです。

しかし笑ってばかりもいられません。だって百発百中で入るってことは、そこがウンチで満杯になってしまうからで、こりゃキノコ君にしてみれば大変な災難ですよね。おトイレ代わりにされちゃってるワケですから・・・。

私が大変に残念な気持ちでオペを実行したのは、それからすぐのことでした。そして分断されたキノコは、別の場所でしっかりと活着しているのでアリマした。

「キイロハギのHole in one」のお粗末!

(00.05.23)

お父さんとチジンコ採り

目下完璧な「ぷ〜太郎」のsyunさん、職探しやそれに近いことで外を歩いている時間以外は、これ全て「お魚」方面に費やしておりまして、愚妻曰く「お魚三昧」の状態。例えば、自作のアイデアが次から次へと湧いて来る、すると職探しの帰りに秋葉原に寄って変な物買い込んで来ちゃう。分からないことが出て来ると、あっちこっちの仲間にメールを送っては、アドバイスを求めたり・・・とまあ、こんな具合。我が採集仲間であり、自作王のH氏をして、
「syunさん、いいな。好き放題やっちゃって。」
とまで言わしめるのですから、自分で言うのも変ですが、その有様は推して知るべしです。いいこたないんですけどね。

ホントは人に言えないくらい不安なんです。じゃ、ホーム・ページに書くなって?はいごもっとも。でもまあ、何とかなるでしょう。それが私の生き方でもあるのですから。

さてそれはともかく、ある日の朝のこと、
(今日は横浜。片道2時間半・・・)
てなことを考えておりましたら、「休みたい」病がムクムクと頭をもたげてまいりまして、
(いいや、昨日も行ったし、今日は休んじゃおう)
というワケで、私は久しぶりに娘と遊ぶことに決めたのです。

娘も最近は私の生活パターンに疑問を持ち始めたようでした。ネクタイを締めないで外出を続ける父親の姿が変に見えるのでしょう。
「お父さん?ちゃんと会社に行かないと、会社の人に怒られちゃうよ。」
それが口癖のようになりました。もちろん説明をしても理解はしてもらえないでしょうが、実は、ちょっとその辺を話してみようかな?なんて思いもあったのですがね。

初夏を思わせるような陽気の昼下がり、私は娘と手を繋いで歩きながら、
(はて、どんな風に説明するか・・・?)
と言葉を捜しました。が、やっぱり止めました。
(そのうち分かる時が来るよな。今のうちは精一杯遊んでやろうかな?)
そう思ったからです。

気分転換の出来た私は、何時の間にか辿りついた田んぼの前で、娘にこう持ちかけてみました。
「ねえ、まりん?ミジンコ採りしてみようか?」
目の前の田んぼには、幾日か前から水が張られて、すでに苗が植えられていました。
「え、? チジンコ?」
娘は初めて聞く言葉を理解できませんでした。
「ううん、ミジンコだよ。お魚さんの餌にするの。さあ、おうちに網を取りに行こう。」

家に引き返し、観賞魚用の網とバケツを持って田んぼに向う道すがら、ミジンコがどんな生物であるかを説明すると、娘は分かったのか分からぬのか、ともかくも行き交う人毎に話しかけています。
「まりんね、お父さんとチジンコ採りに行くの!」
(案外うれしいのかもしれないなあ・・・?)
私も少しウキウキした気持ちになってきました。

さて田んぼのあぜ道から水面を覗き込んでみますというと、いやはや、いますいます。淡い緑色をした無数のミジンコ!網や容器で掬ってみると、、コレが実に面白いように採れました。ものの5分しか遊んでいなかったでしょうか?それでも小さなバケツいっぱいにミジンコを採った私達は、ルンルン気分でご帰還です。

採って来たミジンコは、一旦別の容器に移し替えます。容器に水を入れ、ハイポをポン。しばらくしたら、ネットで掬って移し替えるのです。農薬の散布まではまだ間があるでしょうが、ちょっと恐いですからね。娘は初めて見る光景に興味津々。普段はガサツ極まりない女のコですが、こういうときは妙に神妙になるものです。

さあいよいよお魚さんに与えてみる時がきました。私はスポイトを使って、チャガラ・ベルリン水槽に入れてみることにしました。チャガラ君、冷凍のブラインシュリンプにはあまり興味を示さなかったんですが、さて結末は如何に?私の目も、娘の目も、キラリと輝きました。

結論ですが、やはり生き餌の威力というのはスゴイですな。人工飼料はおろか、冷凍餌にすら興味を示さなかったチャガラ君、ピコピコと動くミジンコに食欲をそそられたか、狂ったように食べまくります。驚いたことに、普段は姿を現さないハゼ君や、果てはオトヒメエビまで現われて、ハサミ、触覚を振り回しています。

「こうやってね、小さなものが大きなものに食べられて、それがまた大きなものに食べられて、またまた大きなものに食べられて・・・みんなね、助けあってるんだよ。」
はてさて、私の説明は娘に伝わったでしょうか?

(こんな風にして、一緒に遊んで考えていればそのうち説明が分かってくれる日が来るのかな?)
そして私は気持ちも新たに思うのでした。
(頑張るゾ〜!)

あ、あのね。ミジンコ餌、一度試してみてくださいな。

<syunさん流「ミジンコの採り方」>



田んぼの中まで入っちゃうと怒られる。
こういうコーナーを覗いて御覧あれ。
きっと見つかるよ。




観賞魚用の網でゴミなどを避けて掬う。
すると、ハイこのとおり。
網中央の薄茶色の部分がミジンコ。




バケツの中のミジンコたち。
薄緑色してて、結構美しい。
しばし見入るsyunさん・・・。

(00.05.27)

いまどきのギャラリ

採集2000でご紹介した、「チャガラ」君採集の時のお話です。

朝の6時くらいにA君を拾い、向ったのはM半島。ここは私のデビュー地で、毎年1度は来ているのですが、振り返ってみますと、ちょうど1年ぶりくらいのお久しぶりの訪問でありました。

さて、勝手知ったる裏道を、ススイのスイとばかりに車を走らせて、やがて着いたのはA漁港。時刻は8時ちょっと前。見ると普段は空いている漁港の駐車場はすでに満杯となっています。
(アリ?今日は随分と釣り客の多いこと!)
私は仕方なく、通行の邪魔にならない路上に車を停めました。それから荷物を取り出して、採集の準備にかかりました。

実はこの日、私には秘策がありまして、それは「大型細目網」の実戦使用でした。というと何かスゴイ秘密兵器のように聞こえますが、単に目の細かい径60cm(コレがデカイ)の網なだけなんですが、とにかく一番目の細かいヤツを仕入れましたからね。これさえあれば、大抵の魚なら採れるにちがいない…私はそう踏んでいたのです。私は勇む気持ちを抑えながら、それを組み立て始めました。A君も横でゴソゴソやってるようでしたが、いつの間にかいなくなっちゃって、ふと立ち上がって探してみると、もうすでに漁港の岸壁を覗き始めています。
(あいや〜、いつもながら素早いな!)

私も遅れまいと「おっとり刀」で参上すると、彼の指差す方向には丁度3cmくらいのチャガラが数尾泳いでいます。
(チャガラなんて…)
とバカにするムキもいらっしゃるようですが、これがなかなかのもので、特にこのサイズの時期は赤い体に目だけが際だって黒く、それはそれは大変に美しいものなのです。

私とA君はお互いに目で合図を送りました。
(採れる!)
そこで私が網を動かさずに構え、A君が追い込むことにしました。ゆっくりと追うA君、構える私…。チャガラは徐々に移動を始めました。そしてA君が最後の一押しをしたところ、案に相違して実に簡単に網に入ってくれました。
「おお、入った、入った。」
私は秘密兵器の網の威力にスッカリ満足してしまいました。
「おっきいことは、いいことだ♪」
と、網を上げてみたところ、中には何も入ってない…。
「あれ?おかしいな、確かに入ったよね?」
するとA君。
「ウン、入った。」
しかしよく考えてみましたところ、見た目に写るよりも細身らしく、細かい網目すらも抜けてしまうらしいのです。2、3度試みたものの、やはり駄目です。結局私達は場所がえをしようとその場を去ろうとしたのですが、どうも消化不良な感じがします。そこでその漁港のコーナーまで足を運んだところ、なんとそのコーナーには無数のチャガラ。これは再挑戦せざるを得ませんですね。

私はA君に言いました。
「もう1回やろうよ」
するとA君の答えは意外なものでした。
「やめようぜ…。人が多すぎるゼ…。」
私はこの時初めて、私達の横に大勢の長い行列ができていることに気がつきました。それは「早朝市場」の開始を待つ人達でした。駐車場が混んでいたのはそのせいだったのです。

私は彼が何を恐れているのか見当はついていました。でもせっかく来たんだし、こんなに沢山いるわけですから、少しはお土産に持って帰りたいと思うのが人情でしょう?私は食い下がりました。
「大丈夫だよ。誰も見に来ないよ。そら、他にも釣りやってるけど、誰も見向きもしてないヨ。」
私がしつこく言うので、A君もとうとう諦めたようです。私達は、目立たないようにして網を水中に入れたのでしたが…。

そのとたん、人の行列が数ヵ所崩れ、幾人かの大人や子供が駆け寄ってきました。そして私達が網を動かす前から、質問を浴びせ掛けてきたのです。
どこかのお父さん:「あ、あの〜、何採ってるんですか?」
どこかのガキんちょ:「おじさん!カニならあっちに沢山いるよ!」
どこかのお母さん:「あら、そんなやりかたじゃ採れないわよ。餌入れて2時間くらい待たなきゃ駄目でしょ?」
そして無言で覗き込む、おじいさんとおばあさん…その他多数。これでは集中できません。

私はもう顔が赤くなるくらいに恥かしくなって、別の場所へ移動しようとしたのですが、市場の開店まではまだ間があるらしく、そういう彼らにとって私達は最高のヒマ潰しの対象なのですから、これはもう離れるワケがありません。A君ときたら、
「ホラ見ろ!」
そう言わんばかりの眼差しを私に送ってきました。

それから後のことはよく憶えていません。とにかく道具を片付けて車に逃げ帰ったのだけは確かですがね。

昔はこんなことなかったんです。我々のやることに興味を持ったとしても、すぐそばに来て、「お仕事」の最中に声を掛けてくるなんてことは・・・。やっぱ、昔は良かったなあ・・・。


(00.05.29)

はあ、ヨレ、ヨレ

(もうまったく馬鹿げていることだ!)
と自覚はしておるのですが、性懲りもなくまた遠征に行って来てしまいまして、そうは言っても、これ(お魚採集)が自分の最高の楽しみであることには間違いがないのですから、仕方がないですね。出来る事は出来るうちにというのも一つのやり方であるワケなんだから…、と自分を納得させて今日のお話。

6月ともなると南の島はもう真夏。こちらで羽織って行った上着なんぞは、飛行機を降りた時点で、
(うひゃ、こりゃタマラン!)
と脱いでしまうほど。借りうけたレンタカーに乗り込むまでに、背中は汗でグッショリ。オマケに車の中は蒸風呂状態で、エアコン全開でもおっつきません。まあ暑さに弱い人だったらゲッソリしてしうまうようなコンディションですが、そこはそれ、「キチガイ」に近い我々は逆にテンションが上がります。
(おおおおお!やるべえ!)
てなワケですね。

さて、
(最初はどこに?)
なんてことは既に決めておりますが、途中で氷や飲み物を買って、行きがけの駄賃とばかりに漁港へ寄り、アッチをプラプラ、コッチをフラフラ。なかなか方向が定まりません。いないと分かって、やっと目指す磯へと向います。

着いた場所というのが長大な磯。見渡す限り岩、岩、岩。人の姿なんか全くなくて、腰にタオルを巻く必要なんかありません。ツンパを放り投げるように脱いで身支度にかかります。




以前に書いた殴り書きです。ヘタクソでスイマセン。

さあ後はお決まりのパターンです。伝家の宝刀「稚魚専用網」改良バージョンと、Sanさんご提供の追い出し棒の威力やいかに?!と続けたいところなんですが、それはまた改めて・・・。いひひ。

ともかくもその磯で3時間くらいを堪能して、今度は別の磯へ、そこでまた1時間くらい遊んで、今度は砂浜で……。我ながら、
(すっげえ、バイタリティ・・・)
と呆れるくらい。考えてもみてください。ただお魚を採っているだけではありません。途中の移動だって大変です。足元不如意の磯を、水の入ったバケツやら、採集道具を持って歩くのですからね。歩行距離だってハンパじゃない。その実、大変に体力を消耗するのです。加えてこの暑さ!

そしてやっとのことでホテルへ行こうと着替えを始めたときです。立ちあがったとたん、目の前に星がチラチラ・・・。いえ、まだ夜ではありません。軽い「立ちくらみ」状態です。朝早くに自宅を発って、満足に寝てない、食べてないですから。あまり誉められた有様ではないですな…。

ともあれヘロヘロの状態でチェックインし部屋に入ったとたん、朝からの疲れがドッと出て、A君の口を衝いて出た言葉は次の一言。
「はあ、やれやれ、じゃなくて、はあ、ヨレ、ヨレ・・・」

私も同感。

(続きは、ちゃんとお魚採集の顛末をご紹介します。乞う、ご期待。)

(00.06.05)