----- 岸壁採集は平日に … イトヒキアジ -----

 採集の方法に「岸壁採集」なるものがあります。漁港の岸壁から水面下を覗き、見つけた魚を柄の長い網で採るという、いたって簡単な採集方法ですが、これが結構楽しめるものでして、仲間の中には「岸壁専門」の人もいるほど。

 僕も楽しむこの手法。なにより水に濡れない、足元不如意な磯場を歩く必要もないので、楽チンなことこの上なし。厄介なのは、長くて大きな網を持ち歩かなければならないこと。それと少々根気が要るってことでしょうね。陸の上から長い網を操りながら魚を採るのですから、そう簡単にはいかないのです。

 厄介なのはもうひとつ。それはギャラリーがいることでしょう。
 漁港と言えば「釣り」。港内のいたるところには糸を垂れる人。ウィークエンドともなるとその数は相当なものになります。そこへ網を持った人間が現われて、魚を網で掬っちゃおうというのです。釣り人や朝の散歩を楽しんでいる人には、これがどうも奇異に見えるらしい。
 困るのは「お仕事」の最中に声をかけられること。こっちは真剣にやってるのに、
 「あ、何やってるんですか?」
 「何が採れるんですか?」
 必ずそう聞かれます。なかにはズッと付いて歩く人までいて・・・。これじゃ集中できないばかりか、採れる魚も採れません。
 僕としても聞かれれば答えて差し上げたい気持ちはあります。
 「これこれ、こういう魚がいましてね。それを採集して飼うわけです。」
と。けれども仕事に没頭してるときにはそれもできません。ついついぶっきらぼうになってしまいます。ギャラリにも失礼ですね。

 というわけで、やっぱり岸壁採集は平日に限ります。
 2000年の初夏のこと。仲間二人と出かけた平日の漁港では、下のイトヒキアジを捕まえることができました.漁師さんの姿さえ見えない漁港での出来事。捕まえた瞬間、嬉しさのあまり網を放り投げて踊りまくることができるのも、こりゃやっぱり平日にしかできないことですね。


漁港の中を悠然と泳いでいたイトヒキアジ。典型的な回遊魚で、そうそう簡単には捕まえられない。この日はチームワークよく、2尾一緒に網に入れた。それも玉網で。快挙だ!


 
Vol.25
02.06.22



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